明治22年の創業以来、事業の内容に合わせてゆっくりと変化を遂げてきた、セッツのロゴマーク。
ここではその歴史を一気に振り返る。
130年前の創業当初から商標として使われてきた、「菱水印」。当時は油脂や油粕などの製品にこのマークを付けて販売していた。
外枠のひし形が「枡」を表現。内側の3本の直線が交差する部分は「水」の字のようだが、実は「油」を表している。枡の中に油が入っている様子をデザインしているのだ。これは昔、 菜種の油を「種水」または「赤水」と呼んでいたことに由来している。
現在でも堺工場の正面に大きく描かれ、また毎日、菱水が染め抜かれた旗が国旗とともに高々と掲げられる。社員たちの魂に刻まれ続ける、セッツの大切なアイコンだ。
「菱水印」にカタカナ表記の社名「セッツ」が加わったもの。 昭和初期から化成品事業が始まり、1929年の石けんのパッケージから似たデザインが使われている。
デザインが統一されていなかったが、1984年に特許庁に商標として出願し、1987年に正式登録された。
この頃、石けんは国家的必需品、文化的用品ともてはやされ、飛ぶように売れた。
1985年に発売した家庭用の固ねり状食器洗剤「パロンエース」。この発売のため作られたブランドマークがこちらの赤丸にセッツの文字。時代の変化に合わせ、カタカナ表記で赤い 色のマークとなった。その後、化成品の専用マークとして使用していた。
家庭用品に本格的に乗り出した際、歴史あるヒシミズのロゴを外して臨んだ。
1990年に「ニューパロン」の発売に際し作られた、アルファベット表記のロゴ。1980~90年代にかけて起こった「CI(コーポレートアイデンティティ)」ブームでは、社会における企業イメージの構築が重視され、セッツでも初めて正式なロゴを作成した。2020年まで30年間にわたり使用された。緩やかに描く上部のカーブは、「Settsu」の「S」の形とともに、液体や界面の動きを表現している。
社内ではその形から「クジラマーク」と呼ばれていたものの、 本来はクジラを描いたものではないため、現在その通称は使われていない。
2017年に株式上場を廃止し、日清オイリオの完全子会社となったセッツ。そこから化成品事業に特化していくという会社の方針が決定。さらには、それを社会に示す「旗印」の役割と して、セッツ初の「タグライン」を制定 した。「食の環境をキレイにする」という言葉には、単に洗剤を作るだけでなく、食品工場や飲食店に向けた総合的な衛生管理事業を開発し、より強固にしていくと、内外への覚悟を促す言葉でもあった。
このロゴは、化成品事業のパッケー ジや、製品カタログなどで使用している。なお、油脂事業では現在も、タグラインのないロゴを使用している。
130周年に合わせて社名を「セッツ株式会社」に変更。ロゴとタグラインも刷新した。
ロゴの社名の下の波線は、右肩上がりの力強い成長極線を表現。線の形は、従来のロゴの形を受け継いでおり、歴史も積み重ねている。コーポレートカラーも、前ロゴで使用していた「赤」と「白」の2色を引き続き使用。下地の白は清潔さやキレイさを、赤は社員の情熱や使命感を表している。
新しいタグラインは、未来への進化を表現。たしかな技術に基づいた安 心・安全な環境づくりを目指す決意をこの一文に込めている。